JICAボランティアに「現職参加」で挑戦したいと思ったとき、私はまず会社に相談しました。
正直言って、当たり前のように休職できると思っていました——それがまさかこんなに“壁”が高いとは。。。
この記事では、「会社の制度では前例がない」と断られた私が、それでも自分の想いを伝え続けたことで、会社が少しずつ変わっていった話を綴ります。
今、同じように悩んでいる人の背中を、少しでも押せたら嬉しいです。
選考体験記はこちらから↓
JICAの「現職参加」で夢に挑戦したい
学生の頃から、ずっと心のどこかにあった夢。それが、JICA海外協力隊でした。
でも、新卒で就職してからはその夢を“現実的じゃないもの”として考えてきました。そんな中、数年が経ち、社会人としての経験も少しずつ積んできた時、そして結婚が視野に入ってきた時、ふと思ったのです。
「やっぱり、JICAに挑戦したい。今しかできないことかもしれない。」
そんな私が選んだのは「現職参加」という道でした。会社に籍を残しながらJICA協力隊として活動し、任期後に復職するという制度。これなら、夢に挑戦しつつ、キャリアを完全に中断するわけでもない。理想的だと思いました。
会社に相談、でも返ってきたのは「前例がない」の一言
まずは、以前から仲の良い人事の方に相談しました。すると、すぐに直属の上司と話し合ってくれたのですが、返ってきた回答は——
「学校に所属するわけではない」
「現職に直接活かせることがない」
「会社の休職制度の対象外」
つまり、「休職扱いにはできない」ということでした。
一方で、「語学留学だったら英語を活かせるからOK」との話もありました。
正直、この時はかなりショックでした。
語学留学がOKで、JICAボランティアがNG?
社内で英語を使う業務は全体のほんの一部なのに、「英語を活かせるからOK」というのはどうして…?
なぜ、“ボランティア”というだけでこんなにも理解されないのか?
私は、全然納得できませんでした。
「辞めたいわけじゃない」自分の想いを伝えた
それでも私はあきらめたくありませんでした。
このJICAへの想いは、単なる気まぐれや自己満足ではないし、仕事から逃げたいわけでもない。むしろ、自分を成長させ、将来的に会社に還元できる経験になるはずだと信じていました。
そこで、改めて直属の上司に、自分の本音と想いをしっかり伝えることにしました。
「学生時代からずっと挑戦したかったことなんです」
「今じゃないとできないことだと思っています」
「帰ってきたときには視野が広がっている自分になっていて、営業職にも活かせるはず」
すると上司は、真剣にその気持ちを受け止めてくれました。
そしてなんと、もう一度人事部長に掛け合ってくれたのです。
周りから攻めていく作戦
再び話し合いが行われるということに、まずは嬉しかったです。
ただ一つ、その上司から言われたことは気になっていました。
それは、「自分都合で休職して戻ってきた人を見る周りの目は冷たいと思うから覚悟した方がいい」
というもの。休職中は周りに負担をかけちゃうから言ってることは分かります、、、
確かに仕方のないことなのかもしれません。でも、できる限り良い状態で受け入れてほしい。
そのためには、円満に休職に入ること、休職の理由をみんなに知っておいてもらうことが必要不可欠だと個人的には考えました。
幸いにも元人事部長や休職後復職した人が知り合いにいたので、JICAでの休職に対する考えや復職後どうだったか聞きました。
休職制度を作ったのが元人事部長で、”JICA協力隊での休職が認められないようなことはおかしい。ただ人事は役所みたいにお堅いから、、、”と、現人事部長にも規定変更を依頼してみるとまで言ってくれました。また、復職している人沢山いるけど、少なくとも本社は働きにくさはないよ、とのこと。
また、タイミングよく、若手社員と社長が自由に話せる年1の懇親会が開かれる時期でもありました。
なので社長にも”仕事は嫌いなわけではないしむしろ好きだけど、自分の人生経験としてJICA協力隊に挑戦したくて、休職で行きたいのに、今の会社の規定だと退職するしかなくて悲しいです。どうにかならないのでしょうか”という旨を伝えました。
社長も、それは俺からも人事に言ってみるから安心して待ってて、と言ってくれました。
下からお願いしてだめなら、上から攻めよう作戦です(笑)
しばらくして、、、人事から「休職対応できるよう調整してみます」という返事がきました。
つまり、前例がないなら、前例を作ることになるかもしれないという状況に。
私一人では無理だったことが、たくさんの方が協力してくれて叶ったことなので嬉しかったです。
色んな方々に話すうちに、すごいことだから頑張れと応援してくれる人が多いとわかり、自信をもって今自分がやりたいことを自分の部署の方にも伝えることができました。
25年4月からではなく、9月開始の2次隊だったこともあり、休職開始までにゆとりがありました。
このことも功を奏し、私が休職してからも部署が困らないような人事が4月に行われました。
自分の考えを、堂々と伝える勇気
今回の経験を通して強く感じたのは、「あきらめずに自分の想いを伝えること」の大切さです。
ただ「どうにかしてほしい」と訴えるだけではなく、
・なぜその道に挑戦したいのか
・どんな価値があると思っているのか
・帰ってきたときに何を会社に還元できるのか
を自分の言葉で、堂々と伝えることがすごく大切だと実感しました。
勇気をもって伝えたら、理解を示してもらえ、応援してくれる人が多かった。自分で限界を決めてしまうのは良くないですね。
やってみてダメだったら、その時はあきらめればいい。むしろそんな会社はこっちから願い下げです。
でもやらずに引き下がるのってもったいないなと思いました。
そして、「誰に伝えるか」も大切
もうひとつ大切なのは、「誰に伝えるか」。
私が相談したのは、信頼している直属の上司でした。
自分のことを見てくれていて、耳を傾けてくれそうな人。そういう人に、まず一歩目の相談をすることで、話は少しずつでも前に進んでいくのだと思います。
最後に:現職参加を目指す人へ
会社の制度の壁にぶつかって、現職参加をあきらめようとする人もいるかもしれません。
でも、「前例がないから無理」というのは、言い換えれば「前例を作れるチャンスがある」ということ。
あなたの一歩が、未来の誰かの道を拓くことになるかもしれません。
どうか、自分の想いをあきらめず、正直に伝えてみてください。
まとめ
JICA協力隊の「現職参加」は、制度だけでなく、“人”との対話で成立するものだと感じました。
一度は「無理」と言われた私も、自分の気持ちを正直に伝えたことで、会社の対応が少しずつ変わり始めました。
この記事が、これからJICAを目指す誰かの参考になりますように。
コメント