初めての方へ。
この日記は、JICA海外協力隊として東ティモールで活動する私が、現地での出来事や感じたことを毎週記録している日記です。
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私の任地は首都ディリから車で1時間弱のところにあります。
普段はミクロレットという乗り合いミニバスを利用して首都へ向かっています。
ところが今回初めて、「任地からディリ行きのミクロレットがまったくつかまらない」という状況に陥りました。
大変な出来事ではあったのですが、そのおかげでティモール人の温かさを改めて実感できた一日でもありました。
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なんでミクロレットが拾えなかったのか
そもそも、いつも乗れているミクロレットに、なぜ乗れなかったのか。
理由は単純で、家を出る時間が遅すぎたからです。
普段は15時頃に出発するのですが、この日は昼間の暑さを避けて16時頃に家を出ました。すると、すでにディリへ向かうミクロレットは終了していました。
この国では「○時で終了」という決まりがあるわけではなく、その日によって終わる時間が違います。
以前、ディリ発リキサ行きのミクロレットは18時頃でも見つかったことがあったので、「リキサ発も17時くらいまではあるだろう」と勝手に思い込んでいました。完全に私の読みが甘かったです。
ティモール人の助け合いの精神
16時過ぎから17時頃まで待っている間は、近くでフルーツを売っていたおばちゃんがずっと一緒にいて、おしゃべりをしながら時間を過ごしてくれました。
17時になってもミクロレットは現れず、「さすがにもう無理かも」と思い、近くの家の方に声をかけて、知り合いの車に乗せてもらえないか相談しました。
全く知らない日本人からの突然のお願いにもかかわらず、その方は何人もの知り合いに電話をかけて確認してくれました。
しかし、知り合いの皆さんはすでにリキサからディリへ移動した後。
するとそのお兄さんは、
「他のエリアから来る乗り合いの車が通るかもしれないから、それまで一緒に待とう。」
と言って、話し相手になってくれました。
けれど、他のエリアからの乗り合い車もなかなか通りません。
荷台が空いている軽トラックは何台か通りましたが、運転手が男性一人で他に乗客がいない車に乗るのは、安全面を考えて避けたいところ。
時刻はすでに17時50分。
「今日はもう無理かな……」
そう諦めかけたその時、荷台に子どもたちが乗っている軽トラックが通りました。
声をかけると止まってくれて、なんと私の目的地まで送ってくれるとのこと!
2時間近く待ち続けていたので、本当に嬉しかったです。
荷台に乗ってディリへ向かう途中で、私の目的地は実は彼らにとって遠回りになる場所だったことを知りました。

遠回りになると最初から分かっているのに、嫌な顔ひとつせず送ってくれたことに感謝です。

「困った時はお互い様。」
そんな助け合いの精神に、救われた出来事でした。

効率重視になりすぎている自分に反省
今回の出来事で、自分自身についても考えさせられました。
もし自分の立場だったら、
「このあと予定もあるのに、今日初めて会った人のためにそこまで時間を使えない」
そんなふうに考えていた気がします。
でもティモールでは、
「今日は帰る時間が少し遅くなるけど、一緒に待つよ。」
「少し遠回りになるけど送っていくよ。」
といった助け合いの行動が、当たり前のように行われています。
目の前にいる人との時間を大切にする感覚を、私は少し忘れていたのかもなぁと思いました。
加えて、最近の私は、「約束の時間どおりに来ない」「いつもおしゃべりばかりしている」といった面ばかりに目が向いていました。
もちろん、日本で生活してきた感覚からすると、戸惑うことも多いです。
でも今回の出来事を通して、ティモールの人たちには、人を自然に助ける優しさや、人とのつながりを何よりも大切にする素敵な文化があることに目が向きました。
もともと私は、人の良いところを見つけるのが得意だったはず。
それなのに、知らないうちに悪い面ばかりに目を向けるようになっていたことに気づかされました。
ミクロレットに乗れなかったという小さなハプニングのおかげで、ティモールの人たちの優しさだけでなく、自分自身の物事の見方も見つめ直すことができた一日になりました。

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